ゲーム設計

デッキ構築ゲームの判断を観察する|認知科学との距離

執筆・編集 RandaWorks 更新 2026年9月20日 3分で読める
#認知科学#フロー#ゲームデザイン#デッキ構築

「楽しい理由」を先に決めない

同じカードゲームでも、確率を考えること、物語を読むこと、組み合わせを試すことのどれを楽しむかは人によって違います。「脳の報酬系が働くから500時間遊べる」という説明には、そのゲームと対象者を調べた根拠が必要です。

この記事では特定ゲームの脳活動や依存性を説明しません。まず操作と発言を記録し、設計を見直すための仮説を作る手順を扱います。

観察する単位を一つの選択にする

ゲーム全体が面白かったかだけを尋ねると、どこを変えるべきか分かりにくくなります。カードを選ぶ場面一つに区切ると、表示した情報と実際に使われた情報を比較できます。

場面記録することすぐには言えないこと
カードの候補を見る読んだ説明、比較した数値読む時間が長いほど理解した
危険な経路を選ぶHPや報酬に言及したか常に同じリスクを好む
組み合わせに気づく気づく前後の説明の変化脳の特定部位が活性化した
負けた後に再開する再開した理由と次に試すこと長時間遊ぶほど満足している

観察の記録と、その解釈を別の欄に書きます。「3枚を読み比べた」は記録、「選択肢が多くて困った」は、発言などの裏づけがなければ解釈です。

確率の誤解は、表示とルールを確認する

ランダムな結果に納得できない場合、プレイヤーの認知だけを原因にしてはいけません。説明不足、分母の違い、実装上の偏りがあるかもしれません。何が独立な抽選で、何が山札からの抽出なのかを先に確かめます。

例として、同じ山札からカードを引くなら、既に引いたカードが次の候補に残るかどうかで計算が変わります。「何回外れたから次は当たる」という説明の適否も、抽選の仕組みに依存します。一般的な心理学の名称を付けるだけでは、ゲーム固有の問題は解決しません。

改善案を試す

観察から「カードの効果順を追いにくい」という仮説が出たら、処理順の表示を追加した版を比べます。見る指標は、正しく結果を予測できたか、説明を読み直す回数、誤解の内容などです。所要時間だけを短くすることが目的ではありません。

開発者のデータ利用を読む入口として、Slay the SpireのGDC発表があります。データを判断材料として扱い、結論そのものと混同しない姿勢は、観察メモにも応用できます。

この手順で得られるのは、その試作品と参加者についての知見です。全プレイヤーの楽しさや学習効果まで一般化せず、次に確かめる問いを具体化するために使ってください。

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